【妄想官能物語】背徳の甘い罠 4-1 重なる影

第四話「壊れゆく現実」
第一章「重なる影」
「……翔の好きにして。」
その言葉を口にした瞬間、私の世界は静かに崩れ始めた。
翔は、満足そうに微笑むと、そっと私の手を取った。
「……じゃあ、行こうか。」
グラスの中のワインが、私の罪の色のように揺れる。
もう引き返せないと分かっていたのに、私は何の抵抗もなく、彼に手を引かれるままバーを後にした。
タクシーの中、翔の指がそっと私の手をなぞる。
「……緊張してる?」
「……してない。」
「嘘つけ。」
彼の指先が、私の膝を撫でる。
それだけで、身体が熱くなるのが分かった。
「……由梨。」
名前を呼ばれただけで、理性が溶けていく。
夫と過ごす日常が、今この瞬間だけは遠い世界の出来事のように感じた。
「……んっ」
ホテルのドアが閉まると同時に、翔の唇が私の唇を奪った。
「待っ……」
言葉を遮るように、舌が絡みついてくる。
彼の手が腰を抱き寄せ、背中を撫でるたび、背筋が甘く痺れた。
「……やっと、お前に触れられる。」
熱を帯びた声が耳元に落ちると、それだけで身体が震える。
私を求める翔の熱が、直接心に焼きついていく。
ベッドに押し倒されると、彼の指がゆっくりとシャツのボタンを外していく。
「……もう、逃げないよな?」
「……逃げるつもり、ないから……」
「そっか……」
彼は満足そうに微笑み、ゆっくりと私の胸元に唇を落とした。
身体の奥から湧き上がる快楽に、私はただ、翔に身を委ねることしかできなかった――。
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